ラグタイムの極上和牛は、A5ランクのサーロインをぐるむき(脂身と筋を取り払った状態)にして使っているので、いわゆる背脂が大量に発生します。肉の脂は、健康を考えると悪いイメージが強いですが、適量の動物性脂質は身体活動のエネルギー源となる重要な栄養素ですし、動物性脂肪の飽和脂肪酸は血管を丈夫に保つ栄養素として、脳卒中を防ぐ等の重要な役割も担っています。また、いわゆる背脂と呼ばれる良質なロース側の脂と、バラ側の脂では性質がまるで違っています。例えば、ロース側の脂は日々扱っておりますが、手についた脂は石けんを使わずとも、お湯で簡単に洗い流せます。一方、バラの脂はカルビ肉で考えるとわかりやすいのですが、甘みも強くしっかりしたボディーの味わいですが、食器にこびりついた脂は洗剤を駆使してもなかなか落ちません。これが体の中でどうなっているのかは推して知るべしです。
さてそのA5ランクの和牛のサーロインの背脂ですが、これが八面六臂の大活躍でして、挽いてハンバーグやロールキャベツの一部に使ったり、煮溶かして牛脂とし、玉葱のみじん切りを1時間炒めてから酒と醤油で調味して、ステーキやローストビーフのソースに。カレーやデミグラスのルーに。また、ステーキや野菜の焼き脂に。ローストビーフを焼く際の塗り脂に。野菜の素揚げに。とむしろ足りなくなることさえある程です。
ラグタイムの料理全般を陰で支えてくれている功労者のひとつなのです。
昨年の実山椒の塩漬けは、御好評のうちにすべてなくなりました。
今シーズンの塩漬けが出来上がるまで、今しばらくお待ち下さい。