まだ暖かくなる前ー今年の3月に、あるフードショーで美味しい粕汁をいただきました。
酒粕はどちらかと言えば苦手な方で、子どもの頃甘酒を飲んだ記憶がある程度で、これまで自分から積極的には調理にも使ってきませんでした。
その時の粕汁の具材が何だったのかはよく覚えていませんが、酒粕のやんわりとした風味で、身体の芯まで温まったのがとても印象的でした。
お店の方が、”酒粕は身体にいいし、花粉症にもいいみたいですよ!”と教えてくださったので、早速買って帰り、まずは甘酒、漬け物、粕汁、ケーキ…と色々試してみました。あっと言う間に買ってきた分は無くなってしまったので、お世話になっている日本酒の蔵元にお聞きしたところ、快く分けてくださいました。
身体にいいとはいうものの、独特の香りやアルコールは気になり、なんとかそれらを出来るだけ気にならないように取り入れることはできないものか考えた末に、3ヶ月経った今もゆるゆると続いているのが
「塩酒粕」です。もともと日本酒を仕込む際に生じる副産物である酒粕は、酵母と麹をたっぷり含んでいるので栄養価も高く、旨味が豊富な発酵食品です。その酒粕に塩と水だけを加えてペースト状にしたものが「塩酒粕」です。この塩酒粕、本来は生食の方がより効果を期待できる酒粕の香りやアルコールを和らげ、塩の代わりの万能調味料として大活躍しております。
最近ではパンの発酵の際に加えたり、お菓子にも焼き込んだりしてお客様にもさりげなく酒粕を味わっていただいています。(180度以上で焼くことによって、気になるアルコールもとびます。)
健康にも美容にもいいと言われるこの酒粕、まだまだ奥が深そうで、お客様にもお料理のどこかでお届け
できますように、楽しみながら探ってまいりたいと思います。