ラグタイムでは入荷した野菜を50℃のお湯で洗っております。
野菜をより美味しく召し上がっていただくために始めたことで、これは1年中、日々行なっている作業なのですが、冬場のこの時期に思わぬ副産物をもたらしてくれます。
野菜を洗うのはもちろん手ですが、50℃洗いをするようになってから、それまで冬場に悩まされていた手荒れがほとんどなくなったのです。手首より上は時折荒れるので、ほぼ間違いなく50℃洗いの影響かと思われます。
年末年始に多数のご注文をいただくローストビーフの下準備で、焼く2時間前に室温に戻した生肉に塩胡椒を手ですり込むのですが、あかぎれ、ひび割れがほんの少しでもあると地獄の辛さでしたし、衛生面からも好ましいとは言えませんでした。今では全く解消しております。
お湯や洗剤、火熱,冷水,冷気、乾燥といった過酷な作業の中で手の皮膚の水分が安定しにくかったのかもしれません。野菜同様、皮膚の細胞内に水の分子が入り込んで潤いを保ってくれるのだと思います。また細かい手の切り傷、すり傷等も治りが早くなりました。傷口に付く雑菌の繁殖を防ぐためだと思います。そんな訳で、冬場なのに手がすべすべで、それを見た妻が、『顔も浸けたらしわが伸びるかしら』と申しましたが、残念ながら顔には目、鼻、口、耳など熱の影響を受け易い粘膜を含む大切な器官があるので避けた方がよいとのことで、蒸しタオルや低温サウナであれば良いようです。
菌の繁殖を防ぐといえば、この時期注意したいのがインフルエンザを筆頭にした風邪です。ここ数年、風邪予防のために毎朝起きてすぐと、外出から戻った時、入浴の前後に50℃のお湯をまめに飲むようにしております。また『ちょっと怪しいかな?』と思ったら、立て続けに5Lくらい飲む様心がけておりますと全く風邪をひかなくなりました。
風邪の菌はのどや鼻の粘膜に付着して増殖します。風邪による発熱は付着した菌を高温で退治するための体の働きだといわれていますが、最高でもせいぜい42℃くらいでしょう。50℃であれば十分です。ノーリスク・ほぼゼロコストです。第一この寒い季節、体が温まりますし、冬場不足しがちな水分補給にもなります。
昔の人は『体に良いから白湯を飲みなさい』などと言ったものです。50℃のお湯というのはだいたい『ごくごく飲める』ぎりぎりの温度で、熱湯と水を加減よく混ぜれば簡単に作れます。焼酎のお湯割は地元では多くの方が熱湯6焼酎4の割合で作りますが、こうすると丁度50℃くらいになり、健康面からも理にかなった飲み方だと思います。冷めかけたお茶などもこれに当たります。
立春まであと僅か、50℃効果で元気に寒さを乗り切りたいと思っております。