先日、定休日に波乗りに行きました。天気も波もよく、最高のコンディションだったので、「へとへと」になり、腕が上がらなくなるまで楽しみました。家に戻って食べる食事は最高で、体を動かし「腹ペコ」で食べるのが何にも勝る美食であると痛感しました。日頃から、どうしたら美味しく 召し上がっていただけるか、考えるのを生業としておりますが、食べ手のコンディションがいかに重要であるかを再認識しました。
その意味で、平安時代の宮中の料理人は相当大変だったと聞いたことがあります。当時の公家達は、日頃の生活で移動・作業はほとんど何もせず(せいぜい蹴鞠程度)全く空腹ではなかったと言われています。腹の空いていない彼らを喜ばせるために、あれこれ策を練ったようですが、その最たるものが「出汁」だということです。飢饉等で飢死する人が多くいた時代に、希少な蛋白源のエキスだけを提供するなどという発想は、当時としては狂気の沙汰であったと想像できますが、現在の日本料理の根幹にもなっています。
私共では、あらゆるコンディションのお客様でも、美味しく召し上がっていただけるよう策を練っておりますが、お客様におかれましては、なるべく「腹ペコ」のコンディションでご来店いただけますと幸いです。
毎年恒例となっておりましたラグタイムオリジナルカレンダーですが、諸物価高騰の折。価格維持の営業努力と、世相・時流を鑑み今年から廃止させていただくことにいたしました。
何卒ご理解いただきますよう、お願いいたします。