豊かな食材や技術により生み出された、様々な美味しいものを迷うことなく食してきた私共は、概ね健康ではありますが、細かな体調の変化を感じる年代にさしかかっております。29年間、常に食材と料理に向き合ってきた現在、その時の自分が元気になれるもの(体が求めているもの)こそが一番美味しい、という考えに至っております。
自分が食したものから自身の身体はつくられる、という「当たり前」を再認識し、思い込み等を排除した上で様々な知見を活かして食材を選び、「脳ではなく、身体がよろこぶもの・美味しいと感じるもの」を探し求めながらの料理及び構成を心がけております。
1皿目は予防栄養学の観点から季節の野菜サラダを
2皿目にはメインディッシュとなる「里山牛」サーロインステーキをお出しし、
次はお食事のご用意です。
最後は食物繊維を豊富に含む、季節の果物を活用したデザートで食事を締めくくっていただき、カフェインが少なく、お肉料理と相性が良い焙じ茶をお出しいたします。
このようにシンプルな構成にすることで、ひと皿それぞれのインパクトを大きくし、記憶に残る料理になるよう心がけております。
既存の枠にとらわれない―和洋折衷それぞれの良いところを採り入れ、糖質を極力抑え、翌日の消化まで計算に入れて組み立てております。
また、同行するお客様それぞれが別のメニューをご注文され、少しずつシェアしながら召し上がっていただくというスタイルも楽しいものだと思いますが、私共はふたりだけで運営しておりますので、十分に行き届かないサービスをするのは不本意ですし、そもそも食事を共にする本来の姿というものは、同じ空間で同じ食事を共有し、いわゆる「同じ釜の飯を食べ」ていただくことであり、その内容や感想について議論することも楽しみの一つであるとの理念を持っております。