ターメリックときな粉
「君に届けるカレー」は、コリアンダー・ウコン・クミン・メッチ・フェンネル・アニス・シナモン・カルダモン・クローブ・タイム・赤唐辛子・白コショウ・ナットメグ・オールスパイス・オレガノ・甘草・キャラウェイ・黒コショウ・セージ・バジル・マジョラム・ローズマリー・陳皮・ジンジャー・スターアニス・パプリカ・オニオン・ディル・セロリー・メース・ガーリック・ローレル・乾燥グリーンマンゴー・フェンネルシード・香辛子 全35種類のスパイスを使用しております。
その中でもカレー粉の主要な成分であるターメリックに含まれるクルクミンは、ポリフェノールの一種であるフィトケミカル(植物がつくる化学物質)で、強い抗酸化性・抗炎症性があり、シワやシミ予防となるアンチエイジング効果・消化不良の改善・肝機能の改善が期待されるため、美容・健康に効果的と言われています。
このクルクミンをアルツハイマー病のモデルマウスに投与したところ、発症を予防する効果があることが判明したそうです。またカレーを日常的に食べているインドの田舎での疫学調査でも、アルツハイマー病の発症率が低いことが報告されたそうです。クルクミンはターメリックの有効成分として、インド伝統医学の「アーユルヴェーダ」では様々な疾患の治療に用いられてきたそうです。強い抗炎症作用だけでなく、がん細胞に対する増殖抑制効果もあり、大腸がんの予防や骨関節炎の治療への応用も期待されているそうです。
ただクルクミンを治療目的で使用する場合、消化管からの吸収が悪く、一旦吸収されても速やかに代謝されてしまうという問題があるそうです。
きな粉に含まれているレシチンはクルクミンの吸収を促進する働きが報告されているそうで、吸収率がなんと100倍近くにもなるそうです。
これは認知機能を維持するのに非常に効果的で、ご高齢の方にとって認知症の予防になるだけでなく、若い健康な人にとっては脳の働きが非常に活発になり、仕事や勉強のパフォーマンス向上が期待できます。
またきな粉はタンパク質、イソフラボン、大豆オリゴ糖、食物繊維、サポニンを豊富に含有しているため、美肌・美髪・腸内環境正常化・血圧調整・貧血予防・ダイエット補助・アンチエイジングなどの効果も期待できます。
さらに、ドイツ・ジューリッヒ大神経科学研究所の博士らの研究チームは、ターメリックに含まれるもう一つの活性成分である芳香性ターメロンの奇妙な作用に注目されたそうです。芳香性ターメロンはいくつかのがん細胞に対して細胞の増殖を抑制する作用が報告されている一方、神経再生で重要な役割を果たす神経幹細胞に対しては分裂を促して神経細胞を増やす作用があるというのです。アルツハイマー病や脳卒中等の神経疾患では神経細胞が障害された結果、認知機能の低下や運動麻痺、失語等の症状が出現しますが、神経幹細胞が新たな神経細胞を再生することができれば、認知症等の神経疾患の治療や予防は大きく前進するかもしれないということです。研究チームが神経幹細胞を試験管内で培養して芳香性ターメロンを添加すると、最大で80%の神経幹細胞が分裂・増殖を開始したそうです。次に研究チームはラットに芳香性ターメロンを注射し、その作用を検証し、ラットの脳の増殖細胞を調べてみたところ、神経幹細胞が存在する脳室周囲や海馬の容量が増加していたというのです。海馬は記憶を司り、アルツハイマー病では最も神経障害が強く観察される部位だそうです。もしターメリックに含まれる芳香性ターメロンが神経幹細胞を分裂・増殖させることができるのであれば、将来的には食事療法等により、アルツハイマー病の病状を緩和したり予防したりすることも可能になるかもしれません。